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2010年3月27日土曜日

クルマの動力源

ガソリン・軽油の次は電気しかない.

地球温暖化防止のためにCO2削減を!,というのはハナから信じていない.
それとは全く別に考慮すべき状況として,石油の枯渇問題がある.
それが10年後か,100年後か,1000年後かはわからないが,いつか必ず石油は枯渇する.
正確に言うと,採掘・精製・輸送にかかるコスト/エネルギーに見合うだけの量が採れなくなる.

石油系の燃料は,クルマ用のエネルギー源として極めて優秀である.
エネルギー密度が高いし,流体だし,管理が簡単だし,補充のための設備が至るところにある.

いくら石油がなくなったからと言って,石炭や,間伐材や,生ゴミを燃やしてクルマを走らせるのは,やってやれなくはないが非効率的である.
太陽光や,太陽熱や,風力で動かすには,ふつうのクルマは巨大すぎるし,だいいち走るかどうかが天気次第というのはいかにもまずい.
原子力なんてのもあるが,クルマに載せるには大きすぎるし,あちこちで交通事故を起こされてはたまったものではない.
波力や,地熱に至ってはどうやってもムリ.

その一方で,上に挙げたエネルギー源のどれも,電気に変換する技術はすでに(ある程度)確立されている.
発電された電気を電線で送り,電池にパッケージ化してしまえば,何由来の電気かなんて全く関係ない.
今のところエネルギー密度に関して,電池は石油に負けているけれど,もう一息というところまで性能が上がってきた.

もうひとつ,電気は運動エネルギー回生が簡単だということ.
進むときに使ったモーターを,止まるときには発電機として使えば,使ったエネルギーをそこそこ回収できる.
これだけは,石油を燃やす系のエンジンにとって逆立ちしてもムリな芸当.

ただし,ひととき世間をにぎわした「燃料電池」の時代は来ない.
燃料電池に使われる水素の供給・貯蔵問題をクリアするのは相当に難しい.
無人島や人工衛星など,特殊な状況で使われることはこれからもあるだろうけど,少なくともクルマの動力源として使われることはない.

そんなことを踏まえると,今後5年も経たないうちに,日本で発売されるクルマで電気モーターを載せていないのは少数派になる,と見ている.
しばらくはガソリン+電気のハイブリッド車と純粋な電気自動車とが混在する時期が続くだろうが,ほどなく電気自動車に収束するだろう.

なお,現在市販されている「ハイブリッド車」は主に充電池のみで電源・回生先をまかなっているが,これはもう少し分散してもいいのではないかと考えている.
つまりキャパシタ(コンデンサー)や,フライホイール(はずみ車),ぜんまいなどと組み合わせる方式.
後者2つは電気を介さず,直接タイヤを回すのにも使える.
これらだけで全ての運動エネルギーを供給するのは大げさになりすぎてさすがにムリがあるので,小さいものを発進時などごく短時間使うものにするのが現実的だろう.

モノに関して,時代が変わるときは一気に変わる.
レコード→CD,マニュアル変速→オートマ,ポケベル→ケータイ,フィルムカメラ→デジタルカメラ,ブラウン管→液晶.
どれもそんなに急激には変わらないだろうと思っていたら,普及率がある域にまで達した瞬間,一気呵成に広まってしまった.
石油エンジンだけで動くクルマも同じ末路をたどりそうな気がする.

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